Vinyard&Winery

Vinyard&Winery

松ヶ岡のぶどう畑
グラヴィティー・フロー
ワイン
西荒屋産甲州ぶどう
ぶどうの木とワイン
松ヶ岡のぶどう畑

Terroir

SENSE OF PLACE 土地を知り、土地を映す

庄内柿をはじめ、四季折々の果実が実る松ヶ岡。
なだらかな丘陵に広がるこの土地は、水はけに恵まれ、ぶどうが健やかに育つ環境を備えています。日本海から吹き込む西風。
そして、月山をはじめとする山々から吹き下ろす東風。
海と山、二つの風が松ヶ岡で交わり、この土地ならではの空気の流れを生み出します。昼には柔らかな光が降り注ぎ、夜には山からの冷たい風が畑を包む。
その寒暖差がぶどうにゆっくりと糖分を蓄え、豊かな香りと奥行きのある味わいを育んでいきます。
私たちは、松ヶ岡という土地を知ることから、ぶどう造りを始めます。
気候、土壌、日照時間。土の成分、水の流れ、畑の傾斜。
目には見えない土地の声まで読み解き、この場所に適した品種と栽培方法を探求してきました。
樹間や仕立て方にも工夫を重ね、何年もの時間をかけて、松ヶ岡の風土とぶどうが最も美しく響き合う形を探しています。私たちが目指すのは、生産地を感じられるワイン。
豊かな水。柔らかな光。日本海からの西風。山から吹き下ろす東風。
そして、この土地に流れる時間。
そのすべてをぶどうに託し、ワインという一杯に映し出す。
ワインを口にした瞬間、その土地の風景が浮かぶ。
それは、味わいだけでは表現できない、その場所にしかない感覚。
SENSE OF PLACE
松ヶ岡の風土を、一本のワインに

グラヴィティー・フロー

Wine Making

VIN NATURE ぶどうに、余計なことをしない

ピノ・コッリーナのワイン造りの根底にあるのは、ぶどうに余計な負荷をかけないこと。
松ヶ岡の丘陵が持つ傾斜をそのまま活かし、重力によって果汁を自然に流す「グラヴィティー・フロー」を採用しています。ポンプを使わず、ぶどう自身の力でゆっくりとタンクへ。人の手を加えすぎないことで、果実が持つ繊細な香りや味わいをできるだけ損なわず、ぶどう本来の表情を引き出します。
発酵・貯蔵設備は半地下構造と断熱層によって温度変化を穏やかに保ち、過度に空調へ頼ることなく、自然な環境の中で発酵が進むよう設計しています。
収穫の瞬間から、ぶどうの声に耳を澄ます。
果皮の温度を測り、品種ごとに適した温度を見極めて発酵を始める。それは、自然に任せきることではありません。自然を知り、観察し、必要なときだけ人が手を添える。ぶどうが育った土地の個性を損なわず、そのままワインへとつなげていく。私たちが目指すヴァン・ナチュールとは、自然の力を尊重し、ぶどうの個性を引き出し、土地の記憶をワインに残すこと。
Terroirである松ヶ岡を感じられる一杯を。
SENSE OF PLACEを、ワインというかたちに。

ワイン

農業 × 科学 × ART

自然派であるための、科学の力

自然のままに。
その言葉だけでは、私たちのワイン造りは語れません。ピノ・コッリーナでは、自然を尊重するためにこそ、科学の力を取り入れています。
鶴岡工業高等専門学校の協力のもと、畑に気象モニタリング装置を設置。土壌水分、雨量、風、日射量など、ぶどうを取り巻く環境を継続的に観測しています。さらに土壌の構造や成分を調査し、その土地が持つ個性を科学的に読み解きながら、必要な環境づくりを行ってきました。
慶應義塾大学先端生命科学研究所とも連携し、香りの前駆体やゲノム、メタボロームなど、目には見えない領域まで分析。ぶどうがどのように育ち、どのような香りや味わいへつながっていくのか。自分たちのぶどうと他地域のぶどうを比較し、糖の種類の違いにまで目を向けます。経験や勘だけに頼るのではなく、データと科学的な根拠をもとに、一つひとつの判断を積み重ねる。
それは、自然をコントロールするためではありません。
自然をより深く知り、その力を引き出すため。そして、科学によって見つけた土地とぶどうの個性を、最後は人の感性で一杯のワインへと昇華させる。
農業 × 科学 × ART。自然を知る「科学」。土地を育む「農業」。
そこから生まれるものを表現する「ART」。
この三つが重なり合うことで、松ヶ岡という土地にしか生まれない味わいを追求しています。自然派であるために、科学する。
そして、その先にあるのが、
SENSE OF PLACE 生産地を感じられるワインです。

西荒屋産甲州ぶどう

西荒屋産甲州ぶどう

江戸から280年、北限の地に受け継がれる甲州

山梨県が本場として知られる甲州ぶどうですが、山形県鶴岡市西荒屋地区では、江戸時代(約270~280年前)に庄内藩士が江戸から持ち込んだ苗木が定植されたことに始まり、今日まで受け継がれてきたと伝えられています。
地域に伝わる話では、甲州ぶどうは徳川家康の時代に酒井家へ伝わり、やがて庄内の西荒屋へと受け継がれたとされています。また、「ぶどう」と「武道」を結びつけ、武家文化との縁を語る言い伝えも残されています。これらの由来については史料による検証が必要な部分もありますが、江戸期から続く甲州ぶどうの栽培は、西荒屋の地域文化の一部として大切に語り継がれてきました。
多くの地域では、病害虫対策や生産性向上のために品種改良や植え替えが行われてきました。しかし西荒屋地区では、農家が代々「接ぎ木」だけで命脈を繋いできたため、ほとんど品種改良が施されていない「原種に近い状態」で今日まで残されています。
ワインの世界では、樹齢を経たぶどうの木を「ヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)」と呼び珍重しますが、鶴岡甲州に使われるのは実に樹齢60年~80年以上の古木です。歴史を乗り越えてきた古木から、深い味わいの果実が実ります。
西荒屋の甲州には、栽培だけでなく、独自の保存・利用文化も受け継がれてきました。その代表的なものが「雛ぶどう(ひなぶどう)」です。
雪国・庄内では、冬季の厳しい気候と積雪によって農作業や物流が制約されます。
そうした環境のなかで、秋に収穫したぶどうを土蔵で大切に保存し、冬を越して翌春に出荷する習慣が育まれました。秋に収穫されたぶどうが、冬を越し、春に再び食卓へ届けられる。この季節をまたぐ保存文化そのものが、西荒屋の甲州ぶどうと土地の暮らしとの深い結びつきを物語っています。
現在、西荒屋は日本における甲州ぶどう栽培の北限の一つとして知られています。
庄内の冷涼な気候と、成熟期における昼夜の温度差は、甲州の成熟と酸の保持に重要な役割を果たします。ここでいう「北限の酸」とは、単に酸度が高いという意味ではありません。冷涼な生育環境のなかで果実の成熟を進めながら酸を保つことで、果実味を引き締め、味わいに緊張感と透明感を与えます。そして甲州特有の繊細な果実味を支え、食事との調和につながる素晴らしい味わいを生み出します。
歴史ある栽培スタイルと保存の知恵、そして樹齢60年~80年以上の古木と北限地域の気候。西荒屋の甲州は、これらすべての要素が重なり合い、地域の暮らしとともに受け継がれてきた、日本の甲州ぶどう「鶴岡甲州」です。

ぶどうの木とワイン

次世代へつなぐ

松ヶ岡の開墾の歴史に、新たなる価値を重ねて

私たちが目指しているのは、松ヶ岡を日本を代表するワイン産地のひとつへと育て、そして日本ワインを世界に認められる存在へと押し上げていくこと。
松ヶ岡には、先人たちが荒れ地を拓き、土地を耕し、未来へとつないできた開墾の歴史があります。私たちはその歴史を受け継ぎながら、ここに新たな価値を重ねていきたい。それが、ワインという新しい文化です。
そのために、私たちは今、この土地で起きていることを記録しています。
大学や研究機関との連携を通じて、気候、土壌、ぶどうの生育、香りや成分に至るまで、膨大なデータを蓄積。それは、私たちだけの財産にするためではありません。いつかこの松ヶ岡でワイン造りを志す、次の世代へ。
積み重ねてきた知識や経験を惜しみなく開き、この土地で新たな挑戦をする人たちの礎として残していきたいと考えています。
気候変動によって、ぶどうを取り巻く環境は少しずつ変わっています。だからこそ、伝統を守るだけではなく、アッサンブラージュや新たな栽培方法にも挑戦し、変化する未来に適応できるワイン造りを探求していく。
250年以上守られてきた在来品種「鶴岡甲州」のように、この土地の記憶を宿す古木は、世界からも注目される唯一無二の宝です。こうした先人の遺産を守り、磨き上げ、次の時代へとつないでいくこと。
王道を知ること。科学的な根拠を持つこと。
そして、常識にとらわれず挑戦すること。
その一つひとつの積み重ねが、次の世代がさらにその先へ進むための土台になる。
開墾から始まった松ヶ岡の物語に、ワインという新たな章を。過去から受け継いだ土地に、今を生きる私たちが新たな価値を重ね、未来へ手渡していく。
私たちがつくりたいのは、ワインだけではありません。松ヶ岡でワインをつくり続けられる未来そのものを、次の世代へつなぐこと。
今日の一杯が、明日の可能性になる。
その未来への橋渡しを、私たちは続けていきます。

ピノ・コッリーナ松ヶ岡 ジェネラルマネージャー兼醸造責任者 川島 旭

General Manager

川島 旭

ピノ・コッリーナ松ヶ岡
ジェネラルマネージャー兼醸造責任者

1990年代から国際的なワインバイヤーとして世界各地を巡り、テロワールを五感で学ぶ。世界の醸造家から得た知見をもとに、日本の風土に向き合い、アッサンブラージュをはじめとする醸造を探求。松ヶ岡の歴史、気候、土壌、風を深く見つめ、松ヶ岡でしか生まれないテロワールと、新たなワイン産地の形成を追求している。その一杯を通して、日本ワインの可能性を世界へ。

ビンヤードマップ

ビンヤードマップ

2017年から定植をはじめ、現在は7圃場8品種、9,500本を栽培。
ぶどう畑を巡る見学ツアーや、ワインピクニックも行っております。
時期によってはご案内が難しい所もございますので、お問合せください。

ワインピクニック1
ワインピクニック2
ワインピクニック3